ずっと恋していたいから、幼なじみのままでいて。
あなたの気持ちを知っている
『それで、関先輩との初デートはどこに行くんだったっけ?』


『やだ瑞樹ってば! デートなんかじゃないよ。友だちとして一緒に映画観に行くだけだってば!』


『その割に声がめちゃくちゃ弾んでますけどお?』


『んもー! からかわないでよ!』


スマホ越しに聞こえる海莉の声が、ポップコーンみたいに軽やかに踊っている。


今日は海莉と関先輩が友だちとしての交際をスタートさせて、初めて迎えた週末。


記念すべき初デートの日だ。


デートじゃないって海莉は言い張ってるけど、どんな服を着ていけばいいか、あんなに悩みまくってたくせに。


昨日は海莉の部屋であたしも一緒に二時間くらい、あーでもないこーでもないって大騒ぎしたんだ。


鉄板のデニム半袖シャツを、オフホワイトの裾レーススカートにインした可愛い姿で、海莉は今、先輩との待ち合わせ場所に立っている。


先輩を待っている間、少しでも緊張を和らげようと、あたしと電話中なわけ。
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