君の言葉は私を刺す
第4章

断る強さ

【波人 side】

今日もだ。




「どうして、愛してくれないの?」




リビングから聞こえる嘆き声。




嫌になる。




そっとリビングの前を通ろうとすると、呼び止められた。




最悪。





「波人は、いなくならないでね。ずっと、お母さんのこと大事にしてね。」





聞きたくない。




俺は適当に返事すると、階段を上る。




そして、また会いたくない人が。





「どこに行ってたんだ。こんな遅くまで。」





いや、お前がどこに行くんだよ。




わざわざ新しいスーツなんて着て。




「なんだその目は。、、、、、、ほんとにあいつと同じ目をしているよ。」





「あいつって、自分の妻のこと?」




いつもなら無視するのに、気づいたら声にしていた。





「妻か。、、、、、、そうだろうな。俺はこれから仕事に行くから。お前もちゃんと勉強しろよ。お前には会社を継いでもらわないといけないんだ。」





「仕事って、、、、他に好きな女に会いに行くこと?勉強って、不倫のやり方?俺ならもっとうまくやれる自信あるけど。」





「なっ!?お前は何を言ってるんだ!!」




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