ヒマワリ
ボーリング場
町に一つだけの、ボーリング場。

レーンの前で、例の玉を抱えたまま所在無げに彼が立っている。

その前に、ボーリングの玉を小脇に抱え、しっかりとシューズも履き替えて準備万端の
香奈が現れた。

「さ、今日はあたしのおごりだからね、たっぷり楽しみましょ」

にっこりと笑う。

彼は突っ立ったままできょろきょろと辺りを見ている。

「なに?
 もしややったことなかったり?」

その言葉に少し憮然とする彼。

「まさか。
 僕はね、こう見えても昔は……」

「よしじゃあやりましょ。
 ほら、靴履き替えて」

彼に靴を投げる香奈。

彼は慌ててそれをキャッチしようとして危うく玉を落としそうになり、さらに焦る。

香奈、その様子を見て笑い、

「さあ、じゃいっちょ勝負しますか!
 間違えてその玉投げないよう気をつけてね」
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