略奪的なその恋に、本気の愛を見つけた
新たなる始まり
この機に私は家を出て、一人暮らしをすることにした。
元々結婚をしてもしなくても、年齢的にもそろそろ家は出ようと思っていたのだ。
それに結婚をやめたことで親に迷惑をかけてしまったし、何より実家からすぐの郵便局に正広が勤めているかと思うと気にしないでいようにも心なしか気まずい。

嫌…とまでは言わないけれど、うん、まあ、正直なところ、嫌だな。

ありがたいことに、両親は理解を示してくれた。
正広の情けない結婚の挨拶を見たからか、彼に対していい印象を抱かなかったらしい。
ま、そりゃそうだよね。
私もあの挨拶はないわーと思ったし。
母親なんて、”結婚しなくてよかったじゃない”なんて、お気楽に笑った。

その言葉に、私は救われる思いがした。
やっぱり母は偉大だ。
< 65 / 101 >

この作品をシェア

pagetop