代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉
いちいち反応していては身が持たない。
このルックスで、この声…この距離感で言われたら大抵の人は勘違いしてしまうのでは?
嫌な想いをする人はおそらく居ない。
きっと骨抜きにされちゃうのだろう。
さすがモテ男。
女の扱いには慣れてらっしゃる。
でも私は代行秘書。
ここのマニュアルより堅い鉄の掟がある。
決して屈してはならない。
朝は早起きしてジムで走りながらスピードラーニング。
軽い汗をシャワーで流した後は美容室、ネイル。
休日の私はある場所で待ち合わせ。
チェック柄のシャツワンピースに身を包み、指定された場所で指定時刻の15分前に到着。
ナンパされる事もあるのでイヤホンで音楽を聴いているフリ。
クライアントの顔を確認し手を振る。
初対面の相手でもクライアントとなれば即、慣れ親しんだ間柄に。
今回の依頼は知人のカップルとWデートするので彼女のフリをして欲しい件。
つまり、レンタル彼女だ。
もう何度目だろうか。
クライアントとは今回で2回目となる。
前回は紹介のみだったがWデートするに至ったようで引き続き私が代行という形に。
3ヶ月経っているのでそれなりの関係性を出さなければならない。
自然に手を繋ぎ、ボディータッチもする。
追加依頼で、私の方が惚れ込んでいる設定にしたいんだそうな。
そりゃお金払うんだからそうしたいよね。
「どこが好き?」
「付き合った決め手は?」
「結婚考えてる?」
よくある質問をそっくりそのまま話題に出るのは高学歴カップルが多い。
プライドも高いからつい比べちゃうのかな。