恋に気付いたとき

興味

「みーずき!お待たせ〜」

「晴香〜!おはよ!」

クリスマス、毎年私達は一緒に過ごしている。

「は〜、今年も美月と2人か〜」

「え?嫌なの?ひど!」

2人で他愛も無い会話をしながらカフェの窓から見える街のカップル達を眺めていた

「今日は片桐くんデートかな?片桐くん彼女いないらしいけどいっつも違う女の子と歩いてるって聞くし…でもクリスマスだよ?本命とかいるのかな〜、どう思う?美月」

美月の話は基本片桐くんで構成されている。

「知らないよ笑、あ!そう言えばこの前片桐くんに会ったの近所のコンビニで」

ふと思い出した。あの日の事。

「え!?いいな〜!いつ?いつ?てか片桐くん美月の家の辺りだったっけ?電車いっつも逆方向だけど!」

「確か…ああ、3日前!南くんのお葬式の後の深夜だったかな?なんか徘徊してる〜とか言ってた」

「え!?片桐くんと話したの?いいな〜!!…でも片桐くん、南くんと大親友だったから徘徊って病んでたのかな?」

大親友?
その瞬間、私は片桐くんが見せた表情の意味を理解できた気がした。

話した事もない私に愛想振りまいていたのは全部自分を落ち着かせる為だったのかな?

ほんとは辛くて家に居たらおかしくなっちゃいそうだったから?

誰でもいいから話を聞いて欲しかったのかな?

頭の中で色んな事を考えた。

「おーい、美月?」

ハッと晴香を見ると不思議そうに私を覗き込んでいた。

「まさか美月、片桐くんの事好きになっちゃった!?」

私は慌てて首を横に振った。

「まさか!変な奴だったなって思い出してただけだよ笑」

「よかった〜、ちゃんとラブレター読んでくれたかな」

もちろん好きになった訳では無い。
でも、

-本当はどんな人でどんな感情を持っているんだろう…
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