dog life
セクハラ、パワハラは当たり前。ちょっとでも反抗すれば、手や足が飛んできて痛い思いをする。和は黙って耐え続けた。

高学歴な同僚たちは次々と辞めていき、和の同僚は二人の男子社員と一人の女子社員だけとなってしまった。

家へ帰ることなどほとんどなく、会社に住み込みで働いているような感覚を、和は何度も覚えた。

体調が悪くても、出勤しないとクビにするぞと脅され行くしかない。残業をしても残業代はほとんどもらえず、しかしそれを口にすることも許されない。

休暇などあるはずもなく、電話をしたりする間もないので、実家とは疎遠になってしまった。食べる暇もなく寝る暇もないので、体重は急激に減り目の下にはクマができた。

それでも和は耐えて三年働いたが、珍しく仕事が早めに終わり帰り支度をしていた際に倒れてしまい、救急車で病院へと搬送されてしまった。そのまま和は入院となった。原因は、過労と心労。

三日間意識が戻らず、やっと目を覚ましたと思ったら、先輩たちからは罵詈雑言を浴びせられた。

「お前が倒れたせいで、俺たちが働くはめになった!」

「迷惑だ!もう辞めろ!」

「お前がいなくても会社はやっていける!」
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