君からのヘッドフォン
「ペンギン、いる?」

「いる」

「イルカは?」

「いる」

「ラッコ」

「いるから」

「行く」


そういうと、松下くんは嬉しそうに笑った。


「よかった。断られたらどうしようかと。
…いつがいい?」

「ん…」

多分、過去にすがるのをやめる、いい機会なんだと思う。

だから、彼との最悪の思い出を松下くんとの楽しい思い出に塗り替えたかった。


「…7月29日。1日空いてるけど」

「じゃあその日。
それと…迷子にならないために連絡先…」

「ん、入れといて」
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