君からのヘッドフォン
ただ、仕事がある。

委員会の仕事。

前日までは言うまでもなく、当日も。

何が悲しくて、こんなことをしてるんだって思う。


だりぃわぁ…なんて、口の悪いことは言わないけども、それに近いことは思ってる。


「栞帆ちゃん、開会式の準備行くよ?」

「…はーい」


伊澄くんが私を呼びに教室に来る。

本当は教室になんか寄らないで、直接グラウンドに行かなきゃいけないんだけど。

私はしっかり逃げました。

伊澄くんはムッとした顔で私を見る。

教室には誰もいなくて、薄暗くて。
< 78 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop