君からのヘッドフォン
わざとそういうと案の定、松下くんは少し顔を赤らめた。

面白い。

私はベットからゆっくり起き上がると、足を垂らした。


「…ほんとに、大丈夫か?」

「うん、別にどうってことない」


そう言えば、運んでくれたのは松下くん、なのか。

なんか複雑な気分。

嬉しいんだけど…いや、嬉しいってなんだ。


私は地面に足を下ろすと、立ち上がった。

それを見て、松下くんも体を起こす。


少し歩こうとすると、思いのほか安定しなくて足元が揺らぐ。

ふらりと、視界が傾いて、気づいたら松下くんの方に倒れていた。
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