この空の果てで
「でもね、夏穂さん。
絶対に自分のことを自分で見下げるようなことはしないで。
あなたは本当に頑張っている」
「……わたしが?」
どこが頑張っていると言うのだろう。
「そうよ。それだけは、絶対にわたしが保証出来る。
だから、負けないで」
「……でも、もう無理です……。
学校、行けません」
「夏穂さん。学校は、毎日必ず行くのよ。
あなたをいじめる人は、それがいちばん嫌なことなの。
辛いのは分かる。
だけど、お願い。
学校に毎日行くことだけは約束して。」
本気だ。
きっとホノカさんは自分の経験から、学校に行けと言っている。
だったら、わたしは行くしかない。
ホノカさんが諦めてしまったのかもしれない学校にわたしが行かないといけない。
「……行きます、学校」
「……離れているから、学校に行って助けてあげることは出来ないわ。
でも、電話で全部話して、泣いていいから」