新月の夜はあなたを探しに


 自宅に帰ってきて、2人でベッドに入ると、黒葉は自分から葵音に抱きついてきた。
 そして、ぎゅーっと自分の体を押し付けながら、葵音の胸の中で少し火照った顔で葵音の顔を見上げた。


 「どうした?明日は旅行だから早めに起きるんだぞ?」
 「………甘えちゃだめですか?」


 1度体を重ねてから、2人は何回も抱き合う行為を重ねてきた。
 けれど、旅行前は疲れさせるだろうと思い、葵音は我慢しようと決めていた。
 けれど、その決意も彼女の可愛い言葉と、挑発的な視線によって揺らいでしまうのだった。


 「………いいのか?」
 「……葵音さん、そんな事聞きながら、もうパジャマの中に手が入ってますよ?」
 「俺も男だから、そんな誘いを貰ったら断れないよ。」
 「断らないでください。」


 クスクスと笑う黒葉を見て、葵音はこいつにはかなわないな、と思いながら頬っぺたにキスを落とした。


 「黒葉……好きだよ。」
 「はい。私も葵音さんが好きです。」
 

 キスを何度も繰り返してから、黒葉は彼女を抱き締めた後、彼女の着ていた服に手を伸ばしまた。


 カーテンの合間から覗いていた月が、見えなくなるまで、葵音は黒葉の体を求め続けた。
 1度彼女の肌に触れてしまうと、加減が出来なくなってしまうのだ。


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