星空の下、キミとの約束。

お兄ちゃんがくれたニット帽をかぶり、寝転がる。

数日間は、起き上がる気にもなれなくて、ずっとジメジメした毎日を過ごしていた私。


小さなノックの音が聞こえて開かれた扉に目を向ける。

その向こうに立つ小さな女の子を見て、私は拳を握りしめた。


この子の前で、私がメソメソしてるわけにはいかないよね。

私は起き上がり、笑ってみせる。


私のニット帽姿を見て、動揺を隠せない様子だった鈴ちゃん。


「鈴ちゃんと、お揃い」


でも、元気に笑った私に、鈴ちゃんもいつもの笑顔を見せてくれた。
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