星空の下、キミとの約束。
「…ふう、どーよ、全速力の俺たち!!」
「うん、超ダサいから」
「ええええ!?」
キメキメのポーズを、
綾羽に突き放されているのは、
坂本晴樹~Sakamoto Haruki~
とても元気が良くてグループでもクラスでもムードメーカーの彼。
グループの中では、恭弥の分まではしゃいでくれる盛り上げ担当。
基本笑顔で話が上手なんだけど、お調子者なのが玉に瑕。
2人とも運動神経がクラス、いや、学年でもトップレベルだから、
そんな2人の全速力ダッシュは、運動会のリレーのアンカーレベルに見ごたえがあるものだった。
だけど、朝から、制服であの速さは流石にすごい。
「おつかれさま」
私が、にやにやしながら言うと、晴樹は不服そうに口を開く。
「菜摘には、言われたくない」
「えー?なんで」
「いつもは菜摘が最後だからだろ」
恭弥が、学ランのボタンを少しはずしながら言う。
「私がギリギリなのは、基本的にシュン君と鬼ちゃんのせいだし。早起きはしてるし!」
「遅い事には変わりねーだろ?」
「えーー」
私が拗ねているのを見て、みんなが笑う。
ガラガラと音を立てて、先生が教室に入ってきたのを合図に私達は席に座った。