星空の下、キミとの約束。
「…私は、どちらかというと仕事人間で。
大翔が…息子が病院にいても、数えるほどしか病院に行ってやれなかった。
大翔には、悲しい思いをさせたと思っています。」
私の隣に立って、花に囲まれて笑っている大翔に目を向けながら話す。
「あの…お母さんは…?」
そう尋ねると、大翔のお父さんはふっと笑って言った。
「二年ほど前。事故でね。」
「…え………」
はっきりとは言わなかったけれど、その続きは私の心にずしりとのし掛かる。
「優しいところがそっくりな親子だったよ。
大翔も母親も、いつも自分以外の心配をしていた。」
『僕のことは気にしないで、たまには母さんと美味しいものでも食べたら?働きすぎ』
『私も働くから無理しないで。たまには、大翔に会いにいってあげて』
「二人からの言葉はいつも温かかった。だから私は仕事を頑張れていたのに。
全部、二人のためだったのに。」
そのとき、大翔のお父さんの目からは涙がこぼれた。
「ただ、幸せに、健康に、生きてくれたらそれで良かったのに…どうして……」
涙を流すその姿は、最初の強そうでがっしりとした印象からは一変して、小さく悲しそうに見えた。