星空の下、キミとの約束。
結局頭痛は、1日中続いた。

急に痛くなると、それはもう試験勉強どころじゃなくなって。

集中しきれなかった私は、一気に自信をなくしてしまった。


「なっちゃん!お疲れ!!!」


1番最後の教科が終わって、紗南が駆け寄ってくる。


「…ん、お疲れー…」

「なっちゃん、元気ない?もしかしてすごい間違いしちゃったとか!?」


1人で慌て出す紗南に、私は無理やり笑みを見せる。


「ううん、あーでも、自信はない、かも…」


私がそっと呟いた言葉に、いつの間にか近くにいた晴樹も驚いていた。


「…そ、そんなに!?最後までできなかったの!?」

「とにかく最後まではやったけど。どうだろ」


配点が多い、難しい問題、考えられなかったこといっぱいあったから。


まだ微かに痛む頭のこともあって、いつものように明るく振る舞うことも出来ず、肩を落とすばかりだった。
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