星空の下、キミとの約束。
「…うを!……ぉぅ…。」
入り口で変な声を発して立ち止まるお兄ちゃんに、とりあえず挨拶する。
「おはよー?」
お兄ちゃんはその場で小さくため息をこぼして歩いてきた。
「大丈夫か?」
「…え?うん……、て、なにが?」
言っている意味がよく分からなくて、聞き返す。
「昨日、お前ソファで寝てて。どんだけ起こしても起きなかったんだよ。」
言われてみれば、と思い出す。
確かソファに倒れ込んで……そのまま、寝ちゃったんだ。
「疲れてたんだな」
「…あーうん。多分そう」
受験勉強、頑張ったもん。
「…まぁ!もう大丈夫だよ!!」
今日、頭痛くないし!
私は元気にそう伝える。
「高校、いいところだから。楽しみにしとけよ。」
私の笑顔を見て安心したようにお兄ちゃんがつぶやいた何気ない一言。
その言葉に、私は顔を曇らせた。
私の様子には気付かないまま、部屋を出ていくお兄ちゃんを黙って見送る。
部屋に1人になった私は、上を向いて涙をこらえた。
……泣いたって仕方がない。
合格発表は明日。
明日になれば、全部分かるんだから。
………それまでは、泣かない。
私は、そう心に決めて起き上がった。