3度目に、君を好きになったとき

「……あの。三井先輩とは、もう会ってないんですか?」

言いづらそうに白坂さんが切り出す。


「会ってないよ」

そう答えるものの、彼女の曇った表情は変わらない。


「そうですか……。最近も何度か一緒にいるところを見かけたから、てっきりまだ続いているのかと思って」


いつの間にか見られていたらしい。

バレンタインの日、白坂さんが真鳥という男と帰ろうとしていたのを見たとき。

絡みついてきた三井の腕を、嫉妬のあまり振りほどかなかったことを思い出した。

自分でも子どもじみていたと思う。

白坂さんに見せつけるかのような情けない行動……。



ふと、うつむいた彼女の肩にかかる緩い癖毛が柔らかそうで、触れてみたくなった。

そんな衝動をどうにか抑えながら、誤解をとくための言葉を探す。



高校に入り白坂さんをまた好きになったのは、あの日にチョコをもらったのがきっかけだった。

心の奥底ではずっと白坂さんの存在があった。

それに気づいた三井は自分から離れる決意をし、僕に別れを告げた。

それでも、白坂さんと進展しないのを見て、時々三井は近づいてくる。
< 37 / 182 >

この作品をシェア

pagetop