3度目に、君を好きになったとき
3.隣の席


待ち合わせをしている駅前の広場に着いたら、背の高い二人がすでにいて。

スタイルの良いその二人が誰だか、遠目からでもすぐにわかった。

通りすがる人たちも、目立つ彼らをちらちらと見ている。


「おはよう、白坂さん」


私の好きな人──柏木先輩がいち早く私に気づき、笑顔を向けてくれる。


「おはようございます」


私服姿の先輩が貴重すぎて、眩しさに目を細める。

黒のジャケットに白いシャツ。
カーキ色のパンツを合わせていて、落ち着いた色づかいが似合っていた。


千尋先輩は柏木先輩のことを、よく待ち合わせに遅れてくると言っていたけれど。今回は誰よりも早く着いていたので安心する。


「今日はいつもと違うね」

「……そうですか?」


柏木先輩はなぜか、私のことをじっと見つめてくる。

コーディネートが変、だったかな。
もしかしてメイクが似合ってない?

色々と気になって落ち着かなくなってしまう。


今日は、スカートにも見える淡いピンクのワイドパンツを履き、ドット柄のブラウスの上にクリーム色のニットカーデを羽織ってきた。


「うん、可愛いよ。似合ってる」

「えっ……」

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