異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~

「ええっと、周囲にはライしかいないみたいだけど?」
「なっ!? いや、そういう問題では……」
 ライがものすごく渋い顔をして、眉間に皺を寄せる。しかもライは、モゴモゴと口内で何事か言っている。
 なんだろう?
「だって、ライ相手なら今さらだよね? ライには昨日、チラっとどころか、際どいあんなところやこんなところまで見られちゃったし……って、やだ! 思い出しちゃった、もう恥ずかしい!」
 ライの手がピキンッと固まって拘束が緩んだ隙、私はくるんっとライに背中を向けて、いそいそと裾よけを着用した。
 裾よけは十分なゆとりがあり、カボチャのパンツの上にはいてもゴワゴワせずに快適だった。
 はき終えて振り返っても、ライはいまだ岩のごとく固まったままだった。
「ライ? 歩かないの?」
 ライの腕をちょいちょいと引く。そうすればライは、ハッと弾かれたように石化を解き、キリッと表情を引きしめた。
「あ、ああ。まず、王宮内庭園を三周。それが終わったら、足上げの腹筋、膝付きの板のポーズ、これら筋トレメニューを五セット。では、ウォーキングから開始!」
「はい!」



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