守護霊


あっしらが明智軍との戦いで命を落とした後、

加賀井村の人達が歳月をかけて、
村に立派な神社を作ってくれた。


その名も“玉山神社”。


村を守った玉さんとあっしを“守り神”として奉ってくれたおかげで、

こうして御魂は“あの世”から現世に戻ってきた。


今では玉山神社に玉さんと二人で棲みついて、

ここに訪れる人達は皆、大切な銭をあっしらに賽銭して手を合わせる。


死んだ人間だから腹も空かないし眠くもならないし疲れもしない。

正直、退屈だと思う時もあるけど、

夏祭り、大晦日、新年三が日といった時には村中の人達がここに来てくれる。

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