守護霊


「・・うわ!!化け物!?」


「・・・・・・・なるほど・・。
・・・もののけか・・・・。」


「や・・やばいですって玉さん!
逃げましょう!」



江戸時代の浮世絵で何度も見たことがある。

まさか・・本当に実在するとは・・・!!


どす黒い靄からやがて・・
狐のような化け物がくっきりと現れ始めた。



「あの赤ちゃん、取り憑かれてるんですよきっと!」


「・・・・・原因不明の高熱や病に犯されて命も吸い取られるってか・・・。

とん平、槍持って来い。」


「戦う気ですか!?
やめときましょうよ!
あっしらが呪われる!!」


「・・・・呪われるもなにも、
俺達がもう既に幽霊じゃねぇか。」


「いや確かにそうですけど・・。」


「あの両親は、為す術も無くここを頼ってきたんだろう。

こういう時に日頃のご恩を返さないと武士が廃るぞ。」


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