無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



夏向の親指が、わたしの唇をジワリとなぞりながら、グッと押し付けてくる。



「俺に何してほしい?」



わたしの唇に押し付けた指を、今度は自分の唇にあてる仕草がとても色っぽく映る。


甘い誘惑にはまってしまえば、簡単に抜け出せなくなってしまう。



「……今だけでいいから、

そばにいて……っ」



恥ずかしさのあまり瞳が潤み、夏向のせいでさらに上げられた熱に、顔がリンゴみたいに赤くなる。



「……そばにいるだけでいいの?」


まだ繋ぎとめられている理性が、
これ以上求めてはいけないって……。



それなのに夏向はうまいことわたしを落とすために、

頬を優しく撫でたり、髪に触れてきたりする。


しまいには、顔を近づけてきて、唇が触れる寸前でピタッと動きを止めて……。



「……ほら、言いなよ。

俺が欲しいって」

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