無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
カバンを肩にかけて、教室を出ようとした時。
ちょうど前の扉を開けて出ようとしたら、
目の前に人がいて、ドンっとぶつかってしまった。
「わっ……!」
相手の身体に思いっきり鼻をぶつけてしまい、鼻がツーンと痛む。
「あっ、ごめんごめん!大丈夫だった?」
その声に反応して顔を上げると、
そこにいたのは、男の人。
ネクタイの色を見て先輩だということがわかる。
金髪まではいかないけど、かなり明るい髪を軽くセットしていて、左右に1つずつピアスを開けている。
すごい派手な見た目だけど、夏向や佑都先輩に負けないくらいかっこいい顔立ち。
……っと、いけない。
見とれてる場合じゃなかった。
「あ、わたしのほうこそごめんなさい。
きちんと前見てなくて」
軽く頭をペコッと下げて、
そのまま帰ろうとしたら。
「あっ、まってまって」
すれ違いざまにわたしの手首をパシッとつかむ。