無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



***



「ん……」



何やら頬をむにゅっと引っ張られたような感じがして、眠っていた意識が覚めてきた。



「かな……た?」


うっすら目を開けると、目を細めて笑う夏向の顔がよく見える。



「……寝顔かわいい。ずっと見てたいくらい」


「や、やだ…見ないで」



寝顔なんてぜったい変な顔してるのに。



「ほっぺ柔らかいね」


「やだ、ほっぺ触られるのきらい…っ」


「なんで?」


「むにむにしてる、から…」


「それがいいのに」


やだって言っても、夏向はずっとわたしのほっぺをフニフニしている。



「……男ってさ、柔らかいもの好きなんだよ」


「な、何それ」



「自分にないから。
女の子独特の柔らかさっていうの?それがたまんない」


「なんか夏向がそういうこと言うと変態チックに聞こえるよ」



「ひどいね、褒めてんのに」

< 277 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop