月の見える丘で君と何を話そうか

今日は優斗の命日

まだまだ肌寒いこの季節
楓花と2人でコートを着て
1番高い丘に登る


「あ!パパいたよ!!」

ゆっくりと大きな月が空に上がる

ベンチに腰掛け
その大きな月を2人で眺める

「ねぇ!ふうちゃんが小さい時パパだっこだっこしてくれた?」

「もちろん!パパはふうちゃんが大好きだから
今もお月様からふうちゃんのこと守ってくれてるんだよ」

「パパ早く帰ってこないかなぁ」

「そうね·····ふうちゃんの楓花って名前はね·····」


月の見える丘で
これからもパパとの思い出を沢山話してあげる

今私に出来ることは楓花の中で優斗を生き続けさせること

いつかこの子も大切な人との人生を歩む日が来るだろう

その時は

「行ってらっしゃい」

そして優斗に言えなかった

「おかえりなさい」

その暖かい言葉で迎えてあげようと思う




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