欲望の館~ウザい奴らは消えてゆく~
まさか自分が言い返されるとは思っていなかった片須は、驚きのあまり音緒の胸倉を掴んでいた手を放してしまう。

「早く帰りな。和山さん。こーゆー時に掃除が回ってこないのは出席番号遅い人の特権だもんな。」

先程まで片須と毒島にいじめられていた女子生徒に、音緒は微笑んで言った。

「あ、ありがとうっ!十六夜君!」

女子生徒は顔を真っ赤にして教室を出て行った。

こうなると、片須と毒島の立場は無い。
他の掃除当番たちは2人を見ながら、憐れむように小さい声で話し出した。
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