氷雨逆巻く天つ風の夜に【完】
「…い、おい雪男、起きんか」
「んあ…?あと…もうちょっと……」
誰かに起きろと囃されていたが、完全に熟睡してしまっていた氷雨は、目を閉じたまま隣で寝ている朧の髪を撫でた。
「……んん?なんか…短いな…」
「腕枕をするほど親しくなったか。まさか貴様、そっちの趣味もあったのか?」
「…へ…?」
うっすら目を開けると――隣ですやすや寝ていたのは朧ではなく泉で、しかも腕枕をしてやっていたことに驚きまくった氷雨が飛び起きると、枕元で如月が仁王立ちして腕を組んでいた。
「貴様腑抜けたか。まさか朔兄様より遅く起きてきたりしているんじゃないだろうな?」
「い、いやいやいや…ごめん、なんかぐっすり寝てた…」
「雪男くんの腕枕、ひんやりしてて気持ち良かったあ」
起きた泉が頬をぽっと赤らめると、如月の表情がみるみるひんやりして、笑った口元から牙がのぞいていて戦慄。
「待て待てっ、不可抗力だ!朧だと思ってたら泉だったってだけで俺にそっちの趣味はない!
「もしそっちの趣味があったならば真っ先に朔兄様が食われていただろうよ!早く起きて朝餉を食え!」
毎度怒鳴られっぱなしの氷雨は慌てて飛び起きて布団を畳み、泉と共に朝餉を食べる部屋へ向かった。
すでにそこには朧がちょこんと座っていてほっこりした氷雨は隣に座って頬をかいた。
「お前が隣に寝てなくて寝ぼけて泉に腕枕しちまった」
「私は如月姉様に腕枕してもらいました」
「はっ?あいつこそそっちの趣味が…なんでもありません」
如月にぎろりと睨まれて身を縮こまらせた氷雨は、隣で朧が生卵を割ってくれているのを見つつ、笑った。
「お前も三食食べる習慣は続けてるんだな」
「母の教えは守っている。つべこべ言わず食え!」
氷雨の分だけちゃんと冷やされたものが用意されていて、また笑うと怒られて、それを繰り返して朝を迎えた。
「んあ…?あと…もうちょっと……」
誰かに起きろと囃されていたが、完全に熟睡してしまっていた氷雨は、目を閉じたまま隣で寝ている朧の髪を撫でた。
「……んん?なんか…短いな…」
「腕枕をするほど親しくなったか。まさか貴様、そっちの趣味もあったのか?」
「…へ…?」
うっすら目を開けると――隣ですやすや寝ていたのは朧ではなく泉で、しかも腕枕をしてやっていたことに驚きまくった氷雨が飛び起きると、枕元で如月が仁王立ちして腕を組んでいた。
「貴様腑抜けたか。まさか朔兄様より遅く起きてきたりしているんじゃないだろうな?」
「い、いやいやいや…ごめん、なんかぐっすり寝てた…」
「雪男くんの腕枕、ひんやりしてて気持ち良かったあ」
起きた泉が頬をぽっと赤らめると、如月の表情がみるみるひんやりして、笑った口元から牙がのぞいていて戦慄。
「待て待てっ、不可抗力だ!朧だと思ってたら泉だったってだけで俺にそっちの趣味はない!
「もしそっちの趣味があったならば真っ先に朔兄様が食われていただろうよ!早く起きて朝餉を食え!」
毎度怒鳴られっぱなしの氷雨は慌てて飛び起きて布団を畳み、泉と共に朝餉を食べる部屋へ向かった。
すでにそこには朧がちょこんと座っていてほっこりした氷雨は隣に座って頬をかいた。
「お前が隣に寝てなくて寝ぼけて泉に腕枕しちまった」
「私は如月姉様に腕枕してもらいました」
「はっ?あいつこそそっちの趣味が…なんでもありません」
如月にぎろりと睨まれて身を縮こまらせた氷雨は、隣で朧が生卵を割ってくれているのを見つつ、笑った。
「お前も三食食べる習慣は続けてるんだな」
「母の教えは守っている。つべこべ言わず食え!」
氷雨の分だけちゃんと冷やされたものが用意されていて、また笑うと怒られて、それを繰り返して朝を迎えた。