秀才男子は恋が苦手。



グイッとつかんでいた衛藤の手を引き寄せた。急に近づいたその距離に衛藤がゴクリと唾をのむ。


「…答え教えてくれないなら、俺の好きなように取るけど」

「ふ、ふん、解けるものなら解いてっ…」


まだ強がりを言う衛藤の唇を塞ぐようにキスをした。

ゆっくり再び距離を取ると、ますます真っ赤になっている衛藤。


「…ふ、耳まで真っ赤」

「う、うるさいよ」

「…俺と付き合ってくれる?」




恋愛は厄介だ。

数学のように明確な答えもないし、正しい道筋もないし、公式もないし、参考書もない。



だけど



「…はい。よろしくお願いしますっ…!」



君のこんな笑顔が見れるなら、そんなに悪くないとも思う。



「つつるん、大好き…!」



…でも絶対、俺の方が好きなんだけど。










☆end☆








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