恋愛初心者です、お手柔らかに?
「どうした?帰ってきてから、黙ってるけど」

二人で家に戻ってからも黙っている私を心配して、悠君は顔を覗き込んできた。

「ね、悠君。私の話聞いてくれる?」

「ん?どうしたの?」

急に私が話しかけたもんだから、どうしたの?と言いながらも悠君には緊張の表情があった。
だけど、私に向き直り、手を握ってくれた。

「絢の言いたい事…話して」

「うん、あのね…」



それから、私は今思っている事を悠君に伝えた。
もう、二人の関係を隠すのはやめようと。
自然に任せて聞かれたら答えていこうと。

「いいの?それで」

「うん。だけど…ごめんね。ちゃんとみんなに報告が出来たらいいけど…そこまでしたら、また自慢してるって思われても嫌だし…」

「いいよ、絢がそれでいいなら。だけど、会社でオープンに出来るなら、俺はいいよ。皆んなに近寄らないように言えるしさ」

そう言うと、握っていた手を引っ張られた私は、悠君の胸に顔を埋めた。

力強く抱きしめてくれた、その力を感じながら私は幸せを感じていた。

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