恋愛初心者です、お手柔らかに?
「絢、最近店に来すぎじゃないか?家で料理してんのか?」

「やだ、和己さん。そんな暇ある訳ないじゃないですか。家に帰ったら疲れて料理どころじゃないし。休みの日は、引きこもってるし…ここで栄養補給させてもらってるに決まってますよ。それに今日は、お酒メインじゃないですか」

「お前な…女の子が胸張って言う事じゃないだろ?」

頭をくしゃっとする和己さんは、人懐っこい笑顔を見せてくれる。
そして、もれなくイケメンで…

「見て…あの人何…彼女なのかな…」
「やだ、あれオバさんじゃん。そんな訳ないって!」

聞こえてますよー。
オバさん、って傷つくなぁ…和己さんより年下なのに。

「和己さん…、私、もう女の子って言われる年じゃないですよ。もうアラサーですし。若くはないですよ。それに、モテるんだから、簡単に女性に触れない方がいいですよ?」

それを聞いた和己さんは、目を見開き、笑い出した。

「お前…な、なに言ってんだ。俺より年下のくせに。十分女の子だよ。それに、一応人選んでやってるから気にするな。分かったな?」

選んでやってる、って…
どんな人選なんだろう。

「それより、お前どうなんだ?彼氏は?」

「へ?彼氏って…」

「まだ片思いなのか?」

「うっ…」

食べていた唐揚げを喉に詰めそうになった。
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