恋愛初心者です、お手柔らかに?
「茉耶、いい加減にしないと、ダメなんだ。じゃないと齋藤のやつ、他の人と付き合っちゃうだろ」

「そうだけど、同じ会社なのよ。断られたら居づらくなるじゃない?お互いに。そこも気にしてるんでしょ?絢も」

うんうん、と頷く私に和己さんは、

「そうじゃないって、こいつのはただ単に勇気がないだけだって」

ひ、ひどい。
当たってるけど…
告白なんてしたって、なんとも思われてないのも分かってるし、気まずくなって仕事しづらくなるのも辛いし。
無理無理。
絶対無理。

首を振っている私にさらに言葉が続く。

「そう言えば、絢。お前に告白したあいつはどうなんだ?白石だっけ?」

「えっ…」

ドキッ…
白石、と聞いてあの日の事を思い出した。
そう、同じ営業部の白石さんに告白されたんだっけ…2年前に。
告白されてすぐに白石さんが、大阪支社の転勤が決まり、白石さんには断りの返事はしたものの、帰ってきたらチャンスはあるのか?って言われたっけ…

私なんかに告白した変わり者だけれど。

「白石君戻ってくるって話よ。絢は聞いてない?」

「え?嘘…」

「私、白石君と同期じゃない?この間、同期会したのね。そしたら大阪から戻ってきてて…次の人事異動で戻れそうだって話してたわよ。もちろん絢の事も聞かれたわよ。まだ独りか、って」

え?えぇっ!

「な、なんて話したんですっ?」

声が裏返っていた。
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