恋愛初心者です、お手柔らかに?
「……」
「……」

無言のまま、歩いていた。
辺りはもう真っ暗になっていて、道路にポツポツとある街灯が、私達を照らしていた。

街灯に照らされた齋藤君。
やっぱり好きなんだな、私…。
涼子に告白するんですよ、って言われたけれど、今の関係を壊したくない気持ちが勝っていた。
年上の私なんて、きっと無理。

先輩後輩の関係で…私を慕ってくれているだけで、幸せなんだ…うん。

そう思っていた。

「あの…永山さん!」

「…っ、」

齋藤君がいきなり振り向いた。
びっくりした私は、目をそらす余裕もなく、見つめ合う形で向かい合ってしまった。

「な、なに?」

それが精一杯の返事だった。

「これから時間ありますか?」

両肩をガシッと捕まれ、身動きが取れなかった。

「じ、時間?大丈夫だけど…」

いたたまれなくなって、顔を動かそうとする私に、逃げないでと齋藤君が呟いた。

「話があるんです。どこか話出来る所行きませんか」

話?
なんだろう?

「話が…出来る所?食事しちゃったし…」

「話が出来るなら…どこでもいいです。俺の部屋でも…」

「え?へ、部屋?」

私は、大声で叫んでいた。
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