恋愛初心者です、お手柔らかに?
4年前

「茉耶さん、なんで私もなんですか?私、今は営業部ですよ?」

「仕方ないじゃない。人事部も人少ないんだから、手伝ってくれたっていいてじょ」

新入社員の研修に向けて、会場の準備を手際よく進める茉耶さんに、私は文句を言っていた。
まだ営業部での仕事も残していた私は、少しイライラしていた。

「文句言うなら、手を動かしながら言ってね。もうすぐしたら、社長も来るんだから!はい!」

「…っ、はい」

手渡された書類の束の重さに、フラフラになりながら、私は準備を進めた。

「ね、それより。今度の新入社員の中に、カッコいい子がいるらしいわよ」

そんな事を言いながらも、茉耶さんの手は止まる事はなく。

「何言ってんですか。年下ですよ。相手になんかならないじゃないですか」

「あんたこそ何言ってんのよ。今は年上の女ってモテるのよ。人事部にその子入らないかなぁ」

ダメだ。
茉耶さんには勝てる気がしない。
年上の女って、言っても茉耶さんみたいな女の人だったら、よ。
私みたいなのは論外ですよ、とは言えなかった。
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