剛力家の三兄弟

だが、先客がいた様で、風呂番からシャワーの音がした。

「ねー、そこに居るの真奈美?
悪いけど、シャンプー取ってくんない?
もうカラでさ!」

先客は明憲だった。

ナニ!?
人の女房(厳密には、まだ婚約者)捕まえて、シャンプーを取れだ?

禎憲は、勢いよくドアを開けると、明憲の顔めがけて、シャンプーを投げつけた。

「あっあぶねー…」

「人の女房に、お前(明憲)の醜いモノ晒すな!!」

「なんだ禎憲だったのか?
それにしても醜いモノって…酷く無いか?
俺たち三つ子だし、同じモノで、大きさもほぼ同じだろ?」

「違う!!
三つ子だろうと、明憲のモノも、憲剛のモノも、俺のモノと全然違う!」

その時、脱衣所の扉が開いた。

「俺のモノと何が違うって?」

そう言って入って来たのは、全裸の憲剛だった。

「お、お、おまえぇぇぇどっから裸で来た!?」

「ん? 自分の部屋だけど?」

「ふざけんな!?
二度と家の中、裸でウロつくな!!
服は脱衣所で、脱げ!!」

禎憲は顔をまっ赤くして怒り、脱衣所を出て行った。

クソッ!
これは早急に離れを…
いや、家を出るしか無い!
あんな醜いオオカミの側に真奈美を置いておけない!
それに、人の女房(厳密には、まだ婚約者)を下の名で呼び捨てにするか!?
絶対!許せん!!
今度呼んだら、あの醜いモノ、使い物にならない様にしてやる!




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