わたしを光へ。

「あれ?秀人くんは?」


トイレから戻ってきた花那は、怒りが静まったようだった。


それよりも加賀くんが自分に何も言わずに帰ったことを変だと思ったのだろう。


何度も、自分が怒ったことに幻滅したのかな?と私に訊いてくる。


花那が、先ほどあったことを疑いもしないことに安堵しながらも、隠し通す罪悪感に苛まれる。


だけどこれは誰にも察されてはいけない。


ヒビが入れば、そこから事実は明るみに出る。


今、盲目的に彼を信じ、好いている花那がこの事実を知った時、どうなるか分からない。


せっかく体調がいいのに、また倒れたりしたら。


それどころか、自分で自分を傷つけなどしたら。


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