わたしを光へ。


相澤くんがそう言って私をまた椅子に座らせる。


先生には俺が言っておくからと。


真剣な表情でそう言う彼に反論する気なんて湧いて来ず、その言葉に甘えることにした。


それに昨日は良く寝れなくて、せっかくなら保健室で少し寝ようとも思って。


分かったと私が頷くと、相澤くんは表情を柔めて保健室から出て行った。


変なことするなよと氷室くんに釘を刺して。


そして残ったのは私と氷室くんの二人。


ああ、気まづい。


昨日あんなことを言われたから余計に。


私は痛む足を引きずりながらベッドへ横になった。


そして少しウトウトとしかけたとき。


「昨日は悪かったな。言い過ぎた」


静かな空間に氷室くんの声が響いた。


「ちょっとムシャクシャしてたんだ。まあ、八つ当たりだ」


「だけどもっと、ちゃんと笑えるようになるといいな」


それだけ言って、氷室くんは保健室から出て行った。


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