わたしを光へ。


「一昨日、洸に何があったか知らない?」



氷室くんは数秒ジッとこちらを見つめて、気怠そうに息を吐いた。



首に手を当てて眉を潜める姿は流石、様になってる。



「俺も正確に何があったかは分かんねえんだけどさ、あの日、赤黎の総長が来たんだよ」



周囲に聞こえないように自然と小声になる。



「赤黎って、」



「そういや美月、ソイツと知り合いだったっけ?」



加賀くんだーーー。



加賀くんが、洸のところへ乗り込んだんだ。



何をしに?



そんなの、私との関係をバラす以外にないーーー。



嗚呼もう、彼は全て知ってしまったんだ。



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