わたしを光へ。


喧嘩というワードに驚いて、思わず彼の顔を見るがそのどこにも傷は無い。


「大丈夫。殴り合いじゃないから」


「でも、私のせいだよね」


私が倉庫に行かなかったんだから、責任は確実に私にある。


「バカ、美月が責任感じることじゃねーよ」


洸は優しい笑顔で私を見て、髪をクシャッと撫でた。


でもと引き下がらない私に、彼は言う。


「これから来てくれればそれでいいから」


私が花那に無条件で甘いのと同じように、


彼は私に底なしの優しさを与えてくれる。


だから、至極安穏。


堕とされて、依存させられる。


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