無愛想な同期の甘やかな恋情
頭のてっぺんの髪が乱れ、前髪がサラッと揺れる。


「……まあ、見てるだけの片想いは、俺も同じか」


なにか忌々しげに呟き、チッと舌打ちをする。


「あ、あの。穂高君?」


やっと言葉を挟む隙を見つけて、私はそっと呼びかけた。
穂高君が、なんだか拗ねたみたいに、私をまっすぐ見下ろしてくる。


「そういうイイ女が、今のなに。なんなのお前、可愛すぎ。男なら誰でも瞬殺されて、すっげえ大事に抱いてやろうっていきり立つ」

「っ……」

「好きだ、冴島」


穂高君が、私の首筋に顔を埋め、耳元で吐息混じりに囁いた。
甘やかに掠れる声に耳をくすぐられ、私の心臓がドキッと跳ね上がる。


「ほ、だか、くん」


声が喉に引っかかるのを意識しながら、彼の首の後ろに手を回し、強くしがみついた。
心臓が、壊れそう。
穂高君が私を固く抱きしめるから、限界を超えて高鳴る鼓動が、直接肌から伝わってしまいそうだ。


「……冴島、力抜いて。これでもかってくらい、優しく抱くから」


そうして始まった甘く優しい愛撫に、私は身も心も溶けていき……。
穂高君のこと以外、なにも考えられなくなるくらい夢中になるのは、あっという間だった。
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