見上げる空は、ただ蒼く
俺も隣の家のインターホンを押して
出てきた人に向かって笑いかける。

「どうも。隣の家に住む神影です。」

相手は和やかな印象のお祖母さんで、
笑みを浮かべて話を聞いてくれた。

「あの日は......あぁ、そうだ。
神影さん、あの日に工事をしてたの?
物凄く大きな音が響いてたわ。」

「いえ、うちの家は工事とかは特に
してないですけど......。」

「あら、そう。じゃあ誰なのかしらね。
あのときは神影さんのお宅だと
音の距離的に思ったのだけれど。」

「そうなんですね。」

犯人が侵入するときに、しくじって
大きな音を立てたのかもしれない。

証言をメモに書き留めて、俺は
お祖母さんに他に何か気になった
ことはありませんかと尋ねたけれど
特に無いと言われてそこで話を終えた。

それから3軒ほど近隣の家をまわり、
葉音とうちの前で落ち合う。

「どうだった?」

尋ねてくる葉音に親指を立てる。

「有力な証言、ゲットしたよ。」
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