恋愛スイーツ

奏也side





俺のクラスは3組で
ななのクラスは4組で。




一緒にはなれなかった。
今の状態で一緒だったら、もっと微妙な雰囲気になるところだったから
調度よかったのかもしれない。




俺は自分の席を見つけて座った。




「はぁ〜……」




喧嘩したのに、
気付けばやっぱり
ななのことを考えてしまっていた。
本当、ななが好きな自分が嫌になる。


早くこの気持ちを伝えてしまいたい。
でもそれで、今までの関係が壊れるのも嫌だ。


そう思うと、いつまでたっても前に進めないでいる。




「あのさー、人の後ろででっかいため息つくの
やめろよなー。」




いきなり前に座ってたやつが
後ろを振り返って言う。




「君知ってる〜?ため息つくと、幸せ逃げてくんだよー?」



とそいつはまた言う。




「そんなこと知ってるし。でも出るもんは出るんだよ!」




それに俺には、まだ幸せは来てないと思うし、逃げようがないと思う。





「あはは、そんなムキになんなくてもー。俺、富岡雄大(トミオカ ユウダイ)。君は??」




笑顔で雄大は言う。




「俺は中野 奏也。」




「奏也かあ…。イケメンは名前もかっこいいんだな。奏って呼んでいい?」



「だめ。」




俺は即答した。




「なんでー。俺らもう友達じゃん」




「なんでも。てか普通に奏也って呼べばいいだろ。」




「仕方ないなー。じゃあ奏也でいいよ。」




奏は、昔からななだけが
まあ…ななの親もだけど。
呼んでる呼び方だから
なんか特別なかんじがして
こいつには呼ばれたくなかった。




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