千年愛歌
また、不思議な感覚が俺にのしかかった。



放課後、俺は教室で友達が送ってくれた歌に目を通していた。

家で書くのは面倒くさいと、ほとんどの友達が授業中などに書いて、俺に回してきたのだ。

しかし、送ってきた歌はどれもこれもツッコミどころ満載だ。

「忘れじの 行く末ならば かたければ 今日をかぎりの 命ともがな」

意味は、「いつまでも、忘れないよ」とおっしゃるあなたのお言葉が、将来も変わらないとは、とても信じられません。それならばいっそこの幸せを胸に、今日を限りに死んでしまいたい。

ちなみに、この歌を送ってきたのは男。俺はこいつに愛をささやいたことは、一度もない!

「あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む」

意味は、山鳥の垂れ下がった尾が長々と伸びているように、秋の長々しい夜を一人で寝ることになるのだろうか。

家に家族はいるだろ!ベッドは普通一人で寝るものだろう!次!!

「山里は 冬ぞさびしき まさりける 人目も草も かれぬと思へば」
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