先輩と二人だけのあまい時間
2.

愛の悲しみ/フリッツ・クライスラー

ソワソワしながら登校して、いつもより早く学校に着いた。



レッスン室はいつもの部屋。
窓の向こうのベンチはまだ空いたまま。



早く来ないかな。



今日も窓を開けておこう。
先輩が来たら分かるように。



バックから譜面を出して鍵に触れる。



雑音はない。
けど、集中はできない。



だって、昨日の夢がまた見れるんだから。
集中なんて出来るわけがない。





けど、先輩はいつになっても来なかった。





もう、ショート15分前。
少し早いけど、教室棟に戻ろう。



もしかしたら、先輩に会えるかもしれない。



普通棟に行く足が自然と早くなる。



「綾仁くん、こっちだよ〜。」



え?



音楽科棟と普通棟を繋ぐ渡り廊下を渡り切った所に、先輩がいた。
後ろ姿だけど分かる。



いたんだ、先輩は。



隣に女の先輩を連れて。
女の先輩は、先輩の腕に抱きついてる。
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