ノンフィクションにご注意を
普段の私服に着替えて戻って来た親父が、テーブルに並んだ白ご飯やおかずを見ながら顔を綻(ほころ)ばせた。


「何言ってんだ。普通の野菜炒めや味噌汁だってのに」


「いやいや、息子が頑張って作ってくれたものは何だって格別だぞ」


「さぁ食べよう」と箸を持つ親父に、オレの方はなんか妙にテレくさくなった。


息子が飯作ってこれって、もしオレに姉か妹…つまり娘がいたら親父、デレデレになってた気がするな……


でも褒められて悪い気はしないので、特に何も言わずに晩飯を食べ進める。


「………あのな、礼於」


「んっ?なんだよ、親父」
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