ノンフィクションにご注意を

そしたら私は、許斐君と普通に振る舞えただろうか。


心のどこかで遠慮して、卒業するまで見えない壁を作っていたかもしれない。


例え別れていなくても、２人が交際している事を黙ってたのは…正しかったのかもな……


「お母さん、顔上げてよ。２人が私達の事２人なりに考えてくれたのは、分かったからさ」


「………親父も顔上げろよ。オレも溝渕と同じで、この事はもういいから」


私がお母さんに声をかけると、許斐君もさっきと比べると優しい声を巌さんにかける。


私が納得出来ても許斐君が出来るか不安だったけど、許斐君の方も大丈夫そうだ。