危ナイ隣人
『駅も夕方までに全部復旧したみたいだし、明日には学校行けそうだね』


『うぇ〜! 1週間くらい休みでもいいのにぃ』


「そんなことになったら、春休み短くなるよ」


『えっ、それは困る!』



表情が豊かなくるみは、見ているだけで微笑ましい。

おもしろいって言ったら、バカにしてるでしょー! って拗ねるから言えない。してないよ。



『あ、ママに呼ばれちゃった。晩ご飯食べてくるね』


「うん、行ってらっしゃい。真帆は? ご飯まだ?」



くるみの通信が切れ、グループ通話の中で私と真帆の2人になる。

なんか変な感じだけど、私達の間ではよくあることだ。



『私もそろそろかな。さっきご飯炊ける音聞こえてきたから』


「あれだよね、ピロリロリーンって変わった音」


『そうそう。茜が変わった音って言うから、聞こえてくるたびに気になるようになっちゃったんだけど』


「ごめんごめん」



引っ越す前までは、真帆とは地元が同じだったからよく家に遊びに行っていた。

それこそ、家でご飯食べさせてもらったり。美味しいんだよなぁ、真帆のお母さんの手料理。



『茜は今日のご飯どうするの?』


「一応、夕方のうちに作ってあるよ。カレーだから、温めてかけるだけ」


『いいじゃんカレー。一気にお腹すいてきたー』


「もう19時過ぎてるもんね」
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