初恋をもう一度。【完】

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2人兄弟の俺達は、年も1つしか変わらなくて、小さい頃は、顔や声もまるで双子みたいによく似ていた。

でも1年の差は大きくて、身長はどうしても兄貴に追いつかないし、学校の成績も兄貴の方がよかった。

一緒に始めたサッカーも、兄貴の方が抜群に上手かった。

いや、1歳差だからじゃない、兄貴の方が俺よりハイスペックだったんだ。

俺がめちゃくちゃ努力しないとできないことを、兄貴は簡単にやってのける。

だけど、そんな兄貴のことを疎ましく思ったことは一度もない。

俺達はすごく仲がよかったし、俺は何でもできる兄貴のことを尊敬していた。

とにかく自慢の兄貴だった。

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