初恋をもう一度。【完】
*****
「あーあ、テスト散々だったなあ」
放課後、北校舎への渡り廊下を歩きながら、有希ちゃんはそうぼやいた。
先週末に終わった期末テストの結果が、週明けの今日、早くも返って来たのだ。
2年生は全部で130人、この人数を採点するのに、もしかして先生達は休日にも働いているのだろうか。
「でもテストも終わったし、もうすぐ夏休みだね」
「うん、そうだね」
「奈々ちゃんは、夏休みどこか行くの?」
「たぶんどこも行かないかなあ」
「家族で海とか行かないの? ……あ、水着! 教室に忘れてきちゃった」
「え、ほんと? じゃあ取りに戻ろ」
「付き合ってくれるの? 奈々ちゃん優しい」
わたし達は教室へと引き返した。
「ごめんね、奈々ちゃん。付き合わせて」
「ううん、全然」
教室に入ろうとすると、中から何やら話し声が聞こえてきた。
「オレはやっぱり松田すずちゃん。あのお嬢様な感じがたまんないよね」
「へえ。なんかお高く止まってない?」
「てか一番は小林でしょ」
数人の男子達が、教室で何かを話しているようだ。