この時私は走る君をただひたすら追いかける
2019年、春、私は遂に中学二年生になった。



正直実感はなかったけど、ただ漠然とだけこう思ってた。

今年はカッコイイ憧れの先輩になりたいな。

そう思ってた。

だから、最初の1ヶ月はそうなれるように頑張ってたつもり。


でも、1ヶ月経ったあの日君に出会った。



その時は学校全体が迫り来る運動会の練習や準備に追われていた。

そんな中、予行練習が行われた日のことだった。

丁度徒競走の時間、皆の目が運動場のある一点に集中していた。

皆が見るから気になるじゃない?

それで、その先を見た時だった。

そこにほかならないキミがいた。

その瞬間に不覚にも思ってしまった。カッコイイ、と。


キミを見た瞬間から私は最初の頃の決意を忘れるくらいにキミに興味を持って、そして、好きになっていた。


カッコイイ先輩になろう。そう思ったのに気づいたら格好悪いくらいにこの恋にのめり込んでいた。


まずはじめの一歩はキミの連絡先をゲットすること。

正直、交換してもらえるって期待してなかったんだ笑

でも、キミはいいよって快く言ってくれて本当に嬉しかったんだ。拒絶されることが1番怖かったから。

でもキミは受け入れてくれた。

それがただただ嬉しかった。

初めての恋の第1歩がこんなにも簡単に行くとはだれが思っただろう?

それぐらいに凄いことだと思ったし何よりも驚いた。



そして間もなく第2歩を踏み出す時が来た。

舞台は夏のキャンプ。

私の中学は年に一回、全校生徒の交流を深めるためにキャンプを催す。

このキャンプでキミとの距離を縮めたいなって思ってた。

この時、私の気持ちを知ってるのは親友のレイカだけだった。

彼女はずっとアドバイスをくれていた。

彼と話す時は笑顔で話した方がいい。

彼とは明るく過ごす方がいい。

彼との共通点を見つけるのも大事。

そう口癖のように言っていた。

今思えば彼女がキミと仲がよかったからそういう事が言えたのかもね。

でもキミがレイカと仲が良かったおかげで結構話せたんじゃないかな。

少なくとも私はとってもそう思ったよ。

キャンプファイヤーの時にキミがそっと手を握ってくれたことが私にとって1番の思い出だな。

キャンプファイヤーに照らされて空気とか体の表面とかだけじゃなくて心から熱い火花が飛び散ってくる感じ?

キミと手を繋いでいる時は丁度そんな感じだった。

自分が自分じゃないようなそんな感じ。
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